'\" te .\" Copyright 1989 AT&T Copyright (c) 2005, Sun Microsystems, Inc. All Rights Reserved .TH strchg 1 "2005 年 3 月 24 日" "SunOS 5.11" "ユーザーコマンド" .SH 名前 strchg, strconf \- ストリーム構成の変更または照会 .SH 形式 .LP .nf \fBstrchg\fR \fB-h\fR \fImodule1\fR [, \fImodule2\fR...] .fi .LP .nf \fBstrchg\fR \fB-p\fR [\fB-a\fR | \fB-u\fR \fImodule\fR] .fi .LP .nf \fBstrchg\fR \fB-f\fR \fIfilename\fR .fi .LP .nf \fBstrconf\fR [\fB-m\fR | \fB-t\fR \fImodule\fR] .fi .SH 機能説明 .sp .LP これらのコマンドは、 ユーザーの標準入力に対応するストリームの構成を 変更または照会するために使用されます。\fBstrchg\fR コマンドは、 ストリーム上へモジュールをプッシュ、 もしくはストリームからモジュールをポップします。\fBstrconf\fR コマンドは、 ストリームの構成を問い合わせます。ストリームの構成を変更できるのは、 スーパーユーザーおよび対応する STREAMSデバイスの所有者だけです。 .sp .LP \fBstrconf\fR を引数なしで実行した場合、 ストリーム上の全モジュール名と 最上位のドライバ名のリストが返されます。出力リストは 1 行に 1 つの名前の形式で、 もしストリーム上に最上位モジュールが存在していれば 先頭にその名前が置かれています。 最後の項目はドライバ名となります。 .SH オプション .sp .LP 次に示すオプションは、いずれも \fBstrchg\fR コマンド用のものです。なお \fB\fR\fB-h\fR\fB、\fR \fB\fR\fB-f\fR\fB\fR、\fB-p\fR は相互に排他的なオプションです。 .sp .ne 2 .mk .na \fB\fB-a\fR\fR .ad .sp .6 .RS 4n 最上位ドライバよりも上位に位置する すべてのモジュールをストリーム上からポップする対象とします。このオプションは、必ず \fB-p\fR とともに指定してください。 .RE .sp .ne 2 .mk .na \fB\fB-f\fR \fIfilename\fR\fR .ad .sp .6 .RS 4n ストリームの構成の変更内容を示す モジュールのリストを含んでいるファイルを \fIfilename\fR で指定します。このファイルは、 1 行に 1 モジュール名という形式でなければなりません。 最上位のモジュール名を1 行目に、 ドライバに最も近いモジュール名を最終行に記述してください。\fBstrchg\fR は、 ストリームの構成が最終的にこのファイルで指定した内容になるよう、モジュールのプッシュとポップを実行します。 .RE .sp .ne 2 .mk .na \fB\fB-h\fR\fI module1\fR [ , \fImodule2\fR. . . ]\fR .ad .sp .6 .RS 4n pus\fIh\fR のニモニック。ストリームへモジュールをプッシュします。1 つ以上のプッシュ可能なストリームモジュールの名前を 引数として指定します。これらのモジュールは指定された順序でプッシュされます。つまり最初に \fImodule1\fR、次に \fImodule2\fR というようにプッシュされます。 .RE .sp .ne 2 .mk .na \fB\fB-p\fR\fR .ad .sp .6 .RS 4n po\fIp\fR のニモニック。 ストリームからモジュールをポップします。\fB-p\fR だけを記述して \fBstrchg\fR を実行すると、最上位のモジュールがポップされます。 .RE .sp .ne 2 .mk .na \fB\fB-u\fR\fI module\fR \fR .ad .sp .6 .RS 4n \fImodule\fR で示したモジュールよりも上位にあるすべてのモジュールをストリーム上からポップする対象とします。module 自体は対象とはなりません。このオプションは、必ず \fB-p\fR とともに指定してください。 .RE .sp .LP 以下に示すオプションは、 いずれも \fBstrconf\fR コマンド用のもので、 \fB-m\fR と \fB-t\fR は相互に排他的です。 .sp .ne 2 .mk .na \fB\fB-m\fR\fI module\fR \fR .ad .RS 14n .rt \fImodule\fR で示したモジュールがストリーム上に存在しているかを調べます。存在していれば、 \fBstrconf\fR は \fByes\fR というメッセージを出力してゼロを返します。存在しなければ、\fBno\fR というメッセージを出力してゼロ以外の値を返します。\fB\fRこの \fB-m\fR オプションは、 次の \fB-t\fR とは排他的です。 .RE .sp .ne 2 .mk .na \fB\fB-t\fR\fI module\fR \fR .ad .RS 14n .rt 最上位モジュールが存在していればその名前を出力します。この \fB-m\fR オプションは、 次の \fB-t\fR とは排他的です。 .RE .SH 使用例 .LP \fB例 1 \fR\fBstrchg\fR コマンドの例 .sp .LP 次の例は、 ユーザーの標準入力に対応するストリーム上に \fBldterm\fR という名のモジュールをプッシュするものです。 .sp .in +2 .nf example% strchg -h ldterm .fi .in -2 .sp .sp .LP 次の例は、 \fB/dev/term/24\fR に対応するストリームから 最上位モジュールをポップするものです。このコマンドを発行するユーザーは、 当該デバイスの所有者もしくは スーパーユーザーでなければなりません。 .sp .in +2 .nf example% strchg -p < /dev/term/24 .fi .in -2 .sp .sp .LP 次は、 以下のような内容を含む \fBfileconf\fR というファイルがあるとした場合の例で、 .sp .in +2 .nf ttcompat ldterm ptem .fi .in -2 .sp .LP 次のコマンドを実行すると、 .sp .in +2 .nf example% strchg -f fileconf .fi .in -2 .sp .sp .LP ユーザーの標準入力ストリームを構成し、結果として \fBptem\fR がドライバの上にプッシュされ、その次に \fBldterm\fR が置かれ、\fBttcompat\fR がストリームの先頭にもっとも近い位置に置かれます。 .sp .LP 引数なしの \fBstrconf\fR コマンドは、ストリーム上の全モジュールと最上位のドライバのリストを出力します。たとえばストリームの現在の内容が、ドライバ \fBzs\fR の上にモジュール \fBldterm\fR がプッシュされているだけの状態の場合、引数なしで strconf コマンドを実行すると次のような出力が得られます。 .sp .in +2 .nf ldterm zs .fi .in -2 .sp .sp .LP この内容のストリームに対して、次のコマンドは、\fBldterm\fR がストリーム上に存在しているかを問い合わせます。 .sp .in +2 .nf example% strconf -m ldterm .fi .in -2 .sp .sp .LP このコマンドは以下のメッセージを出力し、 終了コード 0 を返して実行が終了します。 .sp .in +2 .nf yes .fi .in -2 .sp .SH 属性 .sp .LP 属性についての詳細は、マニュアルページの \fBattributes\fR(5) を参照してください。 .sp .sp .TS tab() box; lw(2.75i) lw(2.75i) lw(2.75i) lw(2.75i) . \fB属性タイプ\fR\fB属性値\fR 使用条件system/core-os .TE .SH 関連項目 .sp .LP \fBattributes\fR(5), \fBstreamio\fR(7I) .SH 診断 .sp .LP \fBstrchg\fR コマンドは、 実行に成功すれば ゼロを返します。エラーが発生すると、エラーメッセージを表示してゼロ以外の値を返します。起こりうるエラーとしては、使用方法の誤り、不当なモジュール名、プッシュ対象のモジュールが多すぎる、ストリーム上の ioctl の失敗、\fB-f\fR オプションで指定した \fIfilename\fR がオープンできない、などが考えられます。 .sp .LP \fBstrconf\fR コマンドも、実行に成功すればゼロを返します (ここで言う成功とは、\fB-m\fR オプション使用時には指定したモジュールが 存在していることを、また \fB-t\fR オプション使用時には最上位モジュールが存在していることを意味します)。\fB-m\fR または \fB-t\fR オプションが指定され、 該当するモジュールが存在しない場合、ゼロ以外の値を返します。また、使用方法の誤りやストリーム上の \fBioctl\fR の失敗などのエラーが発生すると、エラーメッセージを表示してゼロ以外の値を返します。 .SH 注意事項 .sp .LP スーパーユーザーでもなく、 ストリームの所有者でもないユーザーは、 \fBstrchg\fR コマンドを実行することはできません。また、スーパーユーザーでもなく、 ストリームに対する読み取り権を持ってもいないユーザーは、 \fBstrconf\fR コマンドを実行することはできません。 .sp .LP 誤った順序でモジュールをプッシュしてしまうと、 ストリームが期待どおりに機能しなくなる恐れがあります。また、 tty のストリームで回線規約モジュールを誤った位置にプッシュしてしまうと、 端末がどのコマンドに対しても応答しなくなる恐れがあります。